出会い (その2)
「チケットを譲って下さい」
とメッセージをくれた彼は遠方の方でしたが、出身地が私の現住地の割と近くで、そのイベントの時にたまたま出張でそちらに行くので、そのイベントにも行きたいので譲って欲しい、という話でした。
そしてイベント当日。
チケットやり取りの為に待ち合わせ場所に息子と行き、でも人の多い場所なのでどの人かなーと思いながら電話をかけたら・・・すぐ近くにいました。
その時にお互い目が合ったんですが・・・なんだろう、一目見た時から私は
「あ、ステキな人だな。」
って一瞬で心惹かれたんです。
今思えばいわゆる一目ぼれに近かったのかな。
(確かに彼のルックスは良かったですが)。
ちなみに私の人生経験上、一目ぼれってのはこれが多分初めてです。
で、無事にチケットのやり取りを終え、彼はわざわざ私達にお土産を、しかも息子の分まで用意してくれて手渡されました。
普通ならこのやり取りが終わったところで
「ありがとうございました。それでは。」
でお別れになると思います。
でもこの時、普通ならここでお別れなんだけど一瞬間があった後に、彼の方から
「あの・・・もしイヤじゃなかったらでいいんですが、この後同席させてもらっちゃダメですか・・・?」
と言ってくれたのです。
このイベントのチケットは入場の為のチケットで自由席券だったので、コンサートなどの指定席チケットと違い、お互いチケットがあればあとはそれぞれバラバラで好きに参加できるものだったのですが「どうせ一人じゃ寂しいから、もし良かったらと思って・・・」と同席を誘ってくれたんです。
私もチケットのやり取りだけでお別れするには何故かどうにも寂しいというか離れがたい物を感じていたので、彼からの同席お誘いは何だかすごく嬉しかったのです。
私の方から「一緒にどうですか?」って言うのはちょっと躊躇したので(息子もいるし)。
という訳でイベントに一緒に参加する事になったのです。
その間食べ物・飲み物をわざわざ私や息子の分まで買ってきてくれたり、途中のお話も楽しく盛り上がったりして、イベントが終わるまで
「ああ、このまま何だか別れてしまうのは寂しいな。終わらなければいいのに」
と私は思うようになっていたんです。
でもとうとう彼には帰りの時間が迫ってきてしまい・・・私達より一足先に退席する事になりました。
彼とはそこでお別れだったのですが、彼が帰りの電車に乗った後、お礼のメールが来ました。
「本当なら一人寂しく参加するはずが、美真さん達のおかげで楽しい時間を過ごす事ができました。ありがとうございました。」
と。
イベント参加中、彼は結構お酒も飲んでいたようでしたが、そんな中、送ってくれたようです。
で、たった一度、出会ってほんの数時間一緒に過ごしただけなのに、私は心が完全に彼に持っていかれて、どうしてももう一度会いたくてたまらなくなってしまったんです。
いわゆる「恋わずらい」にかかってしまいました。
・・・と、ここまでが彼との出会いでした。
まさに運命的な出会いだったと思いました。